論考 2015年9月号
株価下落の背景と“世界同時不況”の可能性スモールサン主宰 立教大学教授 山口義行 8月中旬から9月半ばにかけて、日本の株式市場は大きな揺れを体験した。本年6月24日には2万952円という年初来高値をつけた日経平均が8月中旬から急落し始め、8月25日には終値で1万7806円をつけた。 これで、ほぼ半年間の値上がり分が吹き飛んでしまったことになる。その後3日間かけて1300円強戻したものの、9月に入るとまたも下落。9月8日には1万7427円と17000円台前半にまで下落する事態も生じた(図1参照)。 もともと株式相場は「上がれば下がり、下がれば上がる」を繰り返すもの。したがって、株価の上がり下がりにアレコレ理屈をつけて解釈することはあ...