論考 2013年6月号
「期待」から「失望」へ ~金利上昇、輸出数量減、株価下落。“綻び”示すアベノミクス~スモールサン主宰 立教大学教授 山口義行 日銀が長期国債を積極的に買い上げて長期金利を引き下げる。 円安効果で輸出を増やして景気を引き上げる。 株価上昇による資産効果で消費を増やす。 ――こんなアベノミクスによる景気回復シナリオが“綻び”(ほころび)を見せ始めている。 長期金利の上昇 ~日銀が金利を下げようと思ったら、逆に上がってしまった!~ 4月4日日銀は新たな量的緩和政策の導入を決めた。そのことを公表した声明文で、日銀は従来のように短期金利だけでなく、「全体の金利低下を促す」のだと宣言し、長期金利も引き下げる意図を明確にし...