論考 2021年12月号
「“41年ぶり”のインパクト ——「警戒の年」2022——」 立教大学名誉教授 山口義行(スモールサン主宰) 41年ぶり!――本年11月、企業間取引での物価動向を示す「企業物価指数」が前年同月比9.0%と、およそ41年ぶりの大幅な上昇を示した(図1)。オイルショックの影響下にあった1980年12月以来の伸び率である。「41年ぶり」ということは、多くのスモールサン会員にとって「未体験ゾーン」の物価環境だということでもある。「なぜこれほどの物価騰貴が続いているのか。」、「この騰貴は一体いつまで続くのか。」会員諸氏の関心は当然のことながらそこに向かうと思われる。 しかし、本稿の課題はこの問題関心に応えることではない。この物価高騰が――よほ...