論考 2020年8月号
コロナ禍に見る「分散型経済」の“兆し” ——中小企業の“出番”が広がる!——立教大学名誉教授 山口義行(スモールサン主宰) 「5月から売り上げが伸びている」 ~ある工務店経営者の発言が意味するもの~ 先日、戸建て住宅の施工・販売を行っているある工務店の社長と話をした。首都圏を中心に年間80億円近くを売り上げる会社である。 山口 コロナの影響はどうですか。厳しいとは思いますが。 社長 私も意外だったんですが、実は5月から売り上げが伸びているんです。 山口 えっ、そうなんですか。 これは、もしかしたら「分散化の兆し」なのかもしれない――社長と話をしながら、私は本年5月『スモールサンニュース』に次のように書いたことを思い出...