コラム「山口義行のコレが言いたい」2011年7月号
安易な消費税増税論に潜む危険 ~少なくとも実態を踏まえた議論を~ 7月1日、税と社会保障の一体改革について、政府・与党の改革案がようやくまとまった。最大の争点となっていた消費税増税については、2010年代の半ばをめどにその税率を10%にまで引き上げることで合意がなされた。新聞社などが実施している世論調査でみるかぎりでは、今や「社会保障の財源のためなら消費税増税はやむを得ない」とする考え方が国民の間にも相当程度受け入れられつつあるようである。 しかし、「増税やむなし」と回答した国民のうち一体どれだけの人たちが、消費税5%引き上げの根拠や消費税そのものの仕組み、さらにはその問題点について正確に理解してい...