論考 2018年8月号
中途半端な日銀“政策修正” ~今後の金利動向は?~ 立教大学名誉教授、スモールサン主宰、山口義行 「長期金利の変動幅拡大を容認する」とした日銀の“政策修正” ――中小企業経営者は、これをどう受け止めたらいいのか。 市場関係者も戸惑う今回の「政策修正」について、以下若干の考察を加えてみたい。 日銀が長期金利の変動幅拡大を容認 ~戸惑う市場~ 日銀は7月31日の金融政策決定会合で、長期金利の変動幅拡大を容認することを決定し、黒田東彦総裁が会見で「これまでの2倍程度の変動が念頭にある」と説明した。 日銀はこの3年間、長期金利を「ほぼゼロ」にするという政策を実施してきた。具体的には、10年物国債の利回りが0.1%に近づくと...