瀧本智恵のシネマ・ノート 2018年10月号
「教誨師」~あなたは私を罰することができるのですか?~死刑囚との対話10月。牧師の佐伯保(大杉漣)は、半年前に着任したばかりの教誨師。終始無言の男・鈴木(古館寛治)、ヤクザの親分・吉田(光石研)、初老のホームレス・進藤(五頭岳夫)、自称カリスマ美容師・野口(烏丸せつこ)、布団屋を営んでいた小川(小川登)、大量殺人を犯した高宮(玉置玲央)ら、境遇や年齢も様々な6人の死刑囚と面会している。話す内容も人それぞれ。とりとめもない世間話だったり、起こした事件の顛末だったり。裁判の話は禁じられており、監視する刑務官に注意を受けることも。面会を繰り返すうちに心の変化が見える者もいる。死刑囚と対峙するなかで、...