瀧本智恵のシネマ・ノート 2018年5月号
「ザ・スクエア 思いやりの聖域」(原題:THE SQUARE)~映し出される私たち~待ち受ける災難主人公のクリスティアン(クレス・バング)は現代美術館の主任研究員。オシャレな洋服に身を包み、最先端の電気自動車を駆る、裕福な男性。意気揚々と新しい企画「ザ・クスエア」を準備中だ。 それは、正方形の中では「すべての人が平等の権利を持ち、公平に扱われる」「その中にいる人が困っていたら誰であれあなたはその人の手助けをしなければなりません」という“思いやりの聖域”を展示する参加型のアート。 そんなある日、街中でスリに遭い携帯電話や財布を盗まれてしまう。GPS機能を使って犯人の住むマンションを突き止めると、全戸に脅迫め...