瀧本智恵のシネマ・ノート 2017年11月号
「エルネスト」~優しさと革命~ある青年の生涯1962年4月。キューバ革命(1959年)後のハバナ。日系ボリビア人の青年、フレディ前村(オダギリジョー)は、奨学金を得た仲間とともにハバナ大学医学部に留学。少年時代、貧しい家の友人が病で苦しむ姿を見て医師になることを志したのだ。 寄宿舎に入り、カストロが創設したヒロン浜(プラヤ・ヒロン)勝利医学校で予備課程を学び始める。10月にキューバ危機が勃発。フレディたち留学生も祖国に避難せずキューバ人学生らと海岸線警備の任務に就いた。危機は終結し、また学業に戻る。 年が明け、フレディは、学校を訪れた憧れのゲバラに出会い言葉を交わす。そんな折、祖国ボリビアで...