瀧本智恵のシネマ・ノート 2016年8月号
「めぐりあう日」~自分のほんとうの部分にめぐりあう。~母と子夫、10歳の息子と三人暮らしの理学療法士のエリザ(セリーヌ・サリット)。30年前、生まれてすぐ養護施設に預けられ養子として育ったエリザ。自らの出自を知りたいという思いに苛まれる彼女は、産みの親についての調査を専門機関に依頼するが匿名出産した女性を守るための法律に阻まれる。ついに自らの手で実母を探し出そうと、パリに夫を残し、出生の地、港町・ダンケルクに息子を連れて移り住む。 転校生となった息子ノエは悪童にいじめられ、反抗期も重なってエリザも手を焼く。そんなノエを学校で給食や掃除の手伝いをしている中年女性、アネット(アンヌ・ブノワ)が庇う。...