瀧本智恵のシネマ・ノート 2016年4月号
「ルーム」~希望は心の構えにある~「部屋の中」と「外の世界」天窓しかない10平方メートルの「部屋」だけが、ママであるジョイ(ブリー・ラーソン)と息子ジャック(ジェイコブ・トレンブレイ)親子の生きる場所。7年前、17歳のときに“オールド・ニック”に誘拐、監禁されたジョイが、この「部屋」の中で生んだジャックは5歳になった。「部屋」の中だけが“ホンモノの世界”で他はすべて“ニセモノ”だと教え込み、懸命に息子を守り続けたジョイは、“オールド・ニック”から失業したと聞かされ、脱出を決意。ジャックに死んだフリをさせて外に運び出させる計画を立てる。必死の脱出劇。二人は救出される。 ジャックは、初めて「外の世界」に触れ、...