瀧本智恵のシネマ・ノート 2015年5月号
「セッション」(原題:WHIPLASH)~勝ったのはどっちだ?~鬼教授との出会い幼い頃からドラムの虜、一流のドラマーを夢見て全米屈指の名門校シェイファー音楽院に進んだニーマン(マイルズ・テラー)は19歳。伝説の教師、フィッチャー教授(J.K.シモンズ)が指揮する学内の“スタジオ・バンド”のメンバーに選ばれれば、その将来は約束される。 教授は日夜練習に励むニーマンを目に留め、スタジオ・バンドの練習への参加を認める。「音楽を楽しめ」と優しく声をかけられ夢心地のニーマン。しかしそれは悪夢のような日々の始まりを告げるものであった。 尋常ではないフィッチャーの指導。気に入らなければ椅子が舞い、ビンタが飛び、人格など...