瀧本智恵のシネマ・ノート 2014年12月号
「フューリー」~新しい戦争映画なんて要らない。~戦場の一日1945年4月。第二次世界大戦末期、ヨーロッパ戦線の終結4週間前。“ウォーダディ”ことドン・コリアー軍曹(ブラッド・ピット)が指揮するのはフューリー(=激しい怒り)という名の戦車。5人の乗員たちは狭い戦車内で生活しながら、戦火をくぐり抜けてきた。 死んだ副操縦士に代わり、18歳の新兵ノーマン(ローガン・ラーマン)が着任する。デスクワークしか経験のない彼は右も左も分からないまま戦車に乗り込む。そこには想像を絶する過酷な体験が彼を待ち受ける。 ウォーダディは4輌の戦車からなる戦車小隊を率い、連合軍の進路を確保せよとの命令をうけ進発する。その途中、ドイ...