瀧本智恵のシネマ・ノート 2014年11月号
「誰よりも狙われた男」~敵は誰だ?~現代の諜報戦ドイツの港湾都市・ハンブルク。世界に起きた衝撃が走った2001年9月11日。あのテロの首謀者たちが住みつき計画を企てたこの町では、現在も諜報機関が目を光らせる。ギュンター・バッハマン(フィリップ・シーモア・ホフマン)もその一人。だが彼が率いるチームは、公にはその存在を明かされることのない、テロ防止活動に専従するスパイ集団。ハンブルクのイスラム・コミュニティに極秘に接触し、情報収集をする。バッハマンは、穏健なイスラム教徒の学者、アブドゥラ博士に目をつけていた。慈善活動に熱心だが裏ではイスラムのテロ組織に資金提供をしていると確信する。何としてもその証拠を...