瀧本智恵のシネマ・ノート 2024年8月号
『墓泥棒と失われた女神(原題:La Chimera)』 心はいつだって自由 魂のための物 1980年代、イタリア・トスカーナ地方の田舎町。古代エトルリアの遺跡が多く残る。考古学愛好家でイギリス人のアーサー(ジョシュ・オコナー)。地下に埋もれた宝物を発見する特殊な能力を持ち、地元の墓泥棒たちと掘り起こした埋蔵品を売りさばいては日銭を稼ぐ。彼は行方不明の恋人ベニアミーナの面影をいつも探している。 そのベニアミーナの母、元歌手のフローラ夫人(イザベラ・ロッセリーニ)が暮らす屋敷で、住み込みで働く女性イタリア(カロル・ドゥアルテ)と出会う。アーサーに興味津々の彼女も外国人。実は子供が二人いるのだが夫人には隠している...