瀧本智恵のシネマ・ノート 2014年6月号
「罪の手ざわり」(原題:天注定)~彼らを裁くことができるのは、神様だけ。~追い詰められた人々大海(ダーハイ)(チァン・ウー)。中国・山西省の炭鉱会社で働く中年の男。村の共同所有である炭鉱の利益を社長が独占し、村長と会計係は賄賂で口止されているとの疑いを抱く。同級生でもある社長を問い詰めるが、はぐらかされ、返り討ちとなってケガを負う。屈辱を受けた大海(ダーハイ)は、銃を手に彼らを訪ねる。 重慶郊外から出稼ぎに出て、妻と一人息子に大金を仕送りする周(チョウ)(ワン・バオチャン)。老母の誕生日祝いに帰宅するが妻の表情は複雑。もう仕送りは要らないからここにいてと言う妻を残し、チョウは再び村を出る。重慶市内...