瀧本智恵のシネマ・ノート 2024年7月号
『Walk up』 どう転んでもあなたの人生だよ 階段を上がれば違う人生があった 韓国・ソウル。地上4階・地下1階の洒落た細長いアパートが舞台。著名な映画監督ビョンス(クォン・ヘニョ)は、インテリアの仕事を学びたいと言う娘のジョンス(パク・ミソ)と共に、建物のオーナーであるインテリアデザイナーの女性ヘオク(イ・ヘヨン)を訪ねる。それぞれの階を案内しながらヘオクはビョンスに「近いうちに部屋が空くので是非来てください。監督なら半額でいいですよ」と気前の良いことを言う。1階のレストランで談笑し地下へ移動した三人。そこで仕事の電話が入りビョンスは中座。残された二人はワインを飲みながら話し込む。「有名な監督の...