瀧本智恵のシネマ・ノート 2013年10月号
「そして父になる」~縁あって、親子になる。~突然の悲劇東京の大手建設会社に勤めるエリートサラリーマンの野々宮良多(福山雅治)と妻・みどり(尾野真千子)。6歳の一人息子・慶(けい)多(た)のお受験に勤しむ頃、一本の電話が入る。里帰りして出産した群馬県の病院からだ。院長と弁護士は、子供の取り違えがあったと言い、DNA鑑定の結果、慶多は二人の子ではないと判明する。こういうケースでは親は100%子供を交換することを選ぶので、できるだけ早いほうがいいと弁護士は勧める。 ともあれ、良多とみどりは相手方の夫婦、斎木雄大(リリー・フランキー)とゆかり(真木よう子)と会う。雄大は小さな電器店の主で、6歳になる琉(りゅう...