瀧本智恵のシネマ・ノート 2024年1月号
『枯れ葉』 愛が必要 運命のいたずら フィンランド・ヘルシンキ。廃棄食品を持ち帰ろうとして職場のスーパーマーケットを解雇され、週払いのカフェバーで給料を貰い損ねる憂き目に遭うアンサ(アルマ・ポウスティ)。ラジオから流れるウクライナ戦争のニュースが一層暗鬱な気持ちにさせる。そんな時、以前同僚と出掛けたカラオケバーで見かけたホラッパ(ユッシ・ヴァタネン)と再会。コーヒーを飲み映画を観る。互いに名前も聞きそびれたまま。「次に会った時に」。アンサは電話番号のメモを渡し、映画館の前で別れる。ポケットからメモが落ちたことにホラッパは気づかない。 ようやくまた出会えた二人。ホラッパを自宅に招くアンサ。部品...