瀧本智恵のシネマ・ノート 2022年10月号
「愛する人に伝える言葉(原題:De sos vivant)」 真実を受け入れなさい 最期をどう迎えるのか フランスのとある都市。膵臓ガンを患うバンジャマン(ブノワ・マジメル)は演劇の講師。母・クリステル(カトリーヌ・ドヌーヴ)を伴い、エデ医師(ガブリエル・サラ)の診察室を訪れる。「化学療法は嫌だ、切除してほしい」と言うバンジャマンに、エデ医師は「ステージ4の膵臓ガンは治せない。延命は期待できないが生活の質を維持することは大事だ」と告げ、化学療法を勧める。ショックを受ける息子と母。だが後日、再び病院を訪れ、一度目の化学療法を受ける。きつい治療に苛立つバンジャマン。エデ医師に励まされ化学療法を続けることを決め...