瀧本智恵のシネマ・ノート 2022年7月号
「ベイビー・ブローカー」 無条件に肯定される幸福感 赤ちゃんを売るための珍道中 韓国。土砂降りの雨の夜、教会の赤ちゃんポストの前に若い女・ソヨン(イ・ジウン)が赤ちゃんを置き去りにする。すると、教会で働くドンス(カン・ドンウォン)とクリーニング屋の店主サンヒョン(ソン・ガンホ)がその赤ちゃんをこっそり連れ去る。彼らは“ベイビー・ブローカー”。赤ちゃんを欲しがる人を探して売りさばく裏稼業だ。翌日からサンヒョンは早速、赤ちゃんの買主を探し始める。だが、思い直して赤ちゃんを引き取るためにソヨンが教会へ来たため算段が狂う。優しい養父母を探す慈善活動だと無理な説明をするがもちろんソヨンは取り合わない。得...