瀧本智恵のシネマ・ノート 2022年1月号
「ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男」 命を賭けた問題提起 20年の闘いの記録 1998年、アメリカ・オハイオ州。名門法律事務所で働くロブ・ビロット(マーク・ラファロ)のもとに無骨な農夫ウィルバー・テナント(ビル・キャンプ)が訪れ、大手化学企業デュポン社によって土地が汚染されたと主張する。企業弁護士であるロブはその調査依頼を受ける気はなかったが、祖母の紹介でやって来たウィルバーを無碍にはできずウェストバージニア州パーカーズバーグの農場に足を運ぶ。そこで被害の大きさと深刻さを目の当たりにしたロブは彼のために訴訟に乗り出す。 訴訟開始から一年、ようやくデュポン社が開示した膨大な資料に“PFOA”の文字を...