瀧本智恵のシネマ・ノート 2021年7月号
「いとみち」 いろいろあるけど、“けっぱれ” 自分を見つけるまで 青森県板柳町。相馬いと(駒井蓮)は高校1年生。母はいとが幼い時に他界し、東京出身で民俗学者の父・耕一(豊川悦司)、津軽三味線の名手の祖母・ハツヱ(西川洋子)と3人暮らし。JR五能線で弘前へ通学する毎日だが、内気な性格と訛りの強い方言のためか学校でも口数が少ない。祖母のそばで覚えた三味線は中学生の時にコンクールで入賞する腕前だが、足を大きく開く演奏スタイルが恥ずかしくて最近はサボり気味。 そんないとが、“大都会”青森市にある「津軽メイド珈琲店」でメイドカフェのアルバイトを始める。店長の工藤(中島歩)、シングルマザーの幸子(黒川芽以)、漫...