瀧本智恵のシネマ・ノート 2019年12月号
「家族を想うとき(原題:Sorry We Mised You)」セーフティネットは不在なのか? 家族の時間が奪われていく イギリス・ニューカッスル。フランチャイズの宅配ドライバーとして働き始めたリッキー(クリス・ヒッチェン)。パートタイムの介護福祉士の妻アビー(デビー・ハニーウッド)、16歳の息子セブ(リス・ストーン)と12歳の娘ライザ・ジェーン(ケイティ・プロクター)の4人家族。 ドライバーの仕事は雇用契約ではなく個人事業主としての請け負いだ。だから自分の頑張り次第で稼げると本部のマロニー(ロス・ブリュースター)に説明され、不安を感じながもリッキーは決断したのだった。アビーを説得して自家用車を売ったお金で配送用の...