瀧本智恵のシネマ・ノート 2019年11月号
「永遠の門 ゴッホの見た未来(原題:At Eternity’s Gate)」狂っているのは誰なのか ゴッホの晩年の2年間 1888年、パリ。フィンセント・ファン・ゴッホ(ウィレム・デフォー)。画家組合の会合で出会ったポール・ゴーギャン(オスカー・アイザック)の「暖かい南へ行け」という助言に従い、南仏・アルルへ向かう。下宿先カフェの大家、ジヌー夫人の好意で「黄色い家」をアトリエとして借り、のどかで美しい田園風景の中で解き放たれたように描くことに没頭する。 そんな彼の姿を狂人扱いする住民たちとの間にトラブルが起こり、ゴッホは追い詰められていく。衰弱する兄を心配した弟テオ(ルパート・フレンド)の計らいによりゴーギャンがア...