瀧本智恵のシネマ・ノート 2019年6月号
「エリカ38」 お金と人間 聡子の半生 水商売とサプリメントのネットワークビジネスで生計を立てている渡部聡子(浅田美代)は、ある日喫茶店で伊藤(木内みどり)という見知らぬ女性に声を掛けられる。数か月後、伊藤から紹介された平澤(平岳大)が手掛ける発展途上国の支援事業を手伝うことに。講演会を開き参加者に投資させるのが聡子の役割だ。支援とは名ばかりの詐欺まがいの事業だが、持ち前のチャーミングさを売り物に巧みなセールストークで多額の金を集めていく。そのお金の一部でエステに通い、ホストクラブで豪遊する生活が始まる。裕福な男性客に取り入って豪邸を手に入れた聡子は、老人ホームから母(樹木希林)を呼び寄せ、今度...