瀧本智恵のシネマ・ノート 2018年12月号
「おかえり、ブルゴーニュへ」(原題:「Ce qui nous lie」)受け継がれていく味 醸造一家の一年 フランス、ブルゴーニュ。ワイン醸造所の長男・ジャン(ピオ・マルマイ)は、10年ぶりに故郷に戻ってきた。闘病中の父親が末期状態だとの知らせを受けたからだ。兄との再会に妹のジュリエット(アナ・ジラルド)は歓喜する。だが弟のジェレミー(フランソワ・シビル)は不満げだ。勝手に家を出て行ったジャンを責める。 間もなく父親は息を引き取り、彼らに相続問題が降りかかる。高額な相続税を払うために家とブドウ畑を売るしかないと考えるジャン。ジュリエットは反対だ。ジェレミーは裕福な義父から畑の買い取りを提案されるが二人にはなか...