金融マンのひとり言 2012年2月号
「経済成長という麻薬」 1月18日の朝日新聞のダニエル・コーエン氏(フランス経済学者)のインタビューをご覧になった方もいるかと思います。氏は資本主義社会への問題提起として以下のように語っています。 「経済が成長すれば多くの財を手にできるが、より幸福にはならない。幸せを感じるのは成長であって、豊かさそのものではない」「昨日より今日、今日より明日がより豊かになれるよう誰もが願う、それを叶える『経済成長』というメカニズムが麻薬で、成長戦略を求めるのが禁断症状」「経済成長は人間社会にとって自然なことではない」 その翌週政府は12年度のGDP成長率が前年比2.2%増となる予測を発表しました。 藻谷浩介は著書『デフレ...