吉原准教授の中小企業コラム 2024年8月号
「ますます進む高齢人材の活用」 山形大学人文社会科学部准教授 吉原 元子氏(中小企業論担当) 人手不足の深刻化 『2024年版中小企業白書』において、2023年の第1四半期から第3四半期において中小企業の業況判断DIは、全産業で1994年以来の高水準に回復したことが報告されました。コロナ禍を経て中小企業の景況感が改善する一方、中小企業の人手不足感は徐々に強まっています。 その背景にあるのは、人口構造の変化です。少子高齢化にともなって、生産年齢人口は長期的に減少傾向にありますが、これまでは女性・高齢者における就業率の増加によって全体の就業者数が維持されてきました。 しかし、2019年から2023年にかけて全体の就業者数は...