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SSゼミ名古屋・8期・第9回
●テーマ●
中小企業の戦略的事業承継
〜最新の事業承継事例とM&A事例から学ぶ事業承継〜
●講師●
株式会社日本M&Aセンター 名古屋支社
部長代理 伊藤 泰之 氏
●講義内容詳細
事業承継対策を相続対策、税金対策、株価対策と捉えていませんか?
誰もがいつでも継承したくなる企業をつくりあげることが経営者としての責任です。
そのために、企業の成長戦略を重要課題として考えることから始まる「戦略的事業承継」に取り組むことが必要です。
今回は、自らの勤務先が譲渡された経験や金融機関での経験を生かし、日本M&AセンターでM&A業務を手掛けている伊藤泰之氏から最新の事業承継事例とM&A事例から戦略的事業承継について、お話を伺いました。
【ゼミレポート】
◆M&Aは年々右肩上がりで増えている
統計データを元にM&Aが増えている事と3つの要因についてお話がありました。
・後継者不在
・先行き不安
・自社の成長
後継者不在は、経営者の平均年齢上昇によるもの、先行き不安は今の経済事情、自社の成長は、成長するために必要となる企業と合併すること。
◆M&Aのメリット
昔は後ろ向きなイメージを持たれがちでしたが、今は前向きなイメージを持たれた上で取り組まれる事が増えている。
・企業・事業が存続できる
・創業者利潤(お金)が獲得できる
・従業員の雇用も継続できる
など、お互いにプラスになる条件があり、成長を加速できることから、年配の方だけでなく若い方も売り手や買い手として利用するケースが増えている。
◆秘密保持で始まり秘密保持で終わる
会社が売られたり合併する事は大きな変化。そのためM&A手続き開始から終わるまで、秘密保持にお互いの企業に寄り添い行われ、スタートから完了までも1年以上かけて行なわれています。
◆M&Aは時間をかけて行うこと
手続き開始以降もですが、開始前の準備として、売り手企業の資産等の確認や買い手企業が合併後にどのように成長をさせていくのか?
など、事前準備も大切であり、成長するのにも時間はかかる事を理解した上で利用する事が大切。
M&Aの成功は、準備とタイミングでしかない。
前倒しで計画・実行していくことが会社を存続させ成長させていくこと。
実例も踏まえてお話していただきました。
【懇親会】
懇親会では、講師の伊藤氏もご参加いただき交流を深めました。
恒例の質問コーナーでは、M&Aのお話として、実際に開始する場合の流れ、具体的な準備するために必要なことなど、お話していただきました。
今回のゼミでは、M&Aがどのように行われて成果に繋がるものなのかがわかりました。会社が売られる事は必ずしも後ろ向きではなく、お互いにとってプラスになるから行われる事であり、すぐに利用せずとも、経営手段の1つとして知っておくことが大切だと感じることができたゼミでした。
スモールサン ゼミNAGOYA
サポーター 関上 直人