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SSゼミ岐阜・3期・第2回「企業経営者のための認知心理学入門」
見たり、聞いたり(知覚)、覚えたり、思い出したり(記憶)、考えたり(思考)というように、人がどのように頭を使っているかを考えることが認知心理学のテーマです。
そして、経営者にとって認知心理学は、消費者の動向を知る大きな手掛かりとなるものです。
本講演では、その入門編として、企業経営者の役に立つ研究知識を提供して頂きます。
講師:名古屋大学大学院 情報学研究科准教授 北神 慎司 氏
実施日時:2019年11月28日(木)18時30分~
担当プロデューサー:山内税務会計事務所 山内 新人 氏
ゼミレポート
◆認知心理学とは?
人の行動をどのようにおこなっているかを明らかにする学問。
知覚、記憶、学習、言語、問題解決、思考など、人間の認知機能の仕組みを明らかにする。
心理学でも、心より知の働き、「あたま」の中の問題を扱う。
◆知覚の構成要素
外部の現実に対して、知覚の一部は、私たちの心が作り上げている。
現実に見ている事も、見方がわからないと認識できない。
普段見ている事を、見せ方変えると理解できない。
◆変化の見落とし
変化があっても、気付く事は難しい。人は、豊かで詳細ではなく、トップダウン処理(スキーマ的・抽象的)である。
この処理によって、知覚が促進されることもあれば、逆に抑制(妨害)されることもある。ある程度の情報を、見落としやカットして認識している。
◆認知バイアス
認知心理学で使われる用語の1つ。様々な観察者効果の一種であり、記憶や思考のバイアスは、その一種となります。
◆思考におけるバイアス
パッと数字に飛びついてしまう人の真理。(広告編 塾の広告者数)
推論 いくつかの前提から論理的に結論を導き引出すこと
帰納推論 ボトムアップ式、個別の事例から一般的な法則性が導かれる推論形式
演推論 一般的な法則から個別の出来事について推論する形式
推論は、正しいとは限らない。
◆メタ認知とは?
認知についての認知。
メタ=「高次の・超〜という意味の接頭辞
具体的には…
・復習しないと忘れてしまう
メタ認知的知識(認知についての知識)
・ここが理解できていない
メタ認知的活動(認知のモニタリングとコントロール)
◆人間の認知には、さまざまなバイアスが存在する
素朴な認知観(認知に関する素朴な理論)に反して、私達の認知はバイアスだらけ。普段、あまりその存在に気付くことなく生活している(できている)
ただし、バイアス=悪というわけではない。
この言葉事態には、良い悪いといった評価は含まれていない。悪いバイアスも捉え方次第で良くもできる。
◆認知には様々なバイアスが存在するという認識を持つこと自体が、非常に需要
・倍圧と(偶然のエラーの違いを認識している人は、むしろ少数派
・知っていれば、避けられる(悪い)バイアスもある
・「何ができるか」ばかりを追求しても、認知の仕組み全体を明らかにできたとは言えない
懇親会
恒例の懇親会、北神先生も交えて、交流をより深める事ができた懇親会となりました。
サポーター所感
今回のゼミでは、認知心理学のお話でしたが、人がどれだけ正確なようで曖昧な認知、記憶、判断をしているのかが学問的に学べた機会だったと思います。
人がもっている性質を無理に変えようとせず、認知バイアスを学び活かす事が大切だと感じました。
個人的に、記憶力に不安がありましたが、バイアスを活用すると記憶の定着もしやすくなるお話も伺い、集中より分散して勉強する事の大事さを教えていただけてよかったです。
スモールサン ゼミGIFU
サポーター 関上 直人